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2022-03-26 10:05:30
事故物件の告知について
「事故物件」や「ワケあり物件」と聞き 皆さんはどのようなイメージを持たれるでしょうか。 「何年か経てば告知しなくてよい」「何人か住み替えれば告知しなくてもよい」 このような印象が世間では根付いています。
恐らく、テレビやユーチューブなどで見ている情報がそのまま 一般認識となっていることが多いのではないかと思います。
しかし、実際には行政による明確な告知の定義化されていませんでした。 そんな中、令和3年10月に国が告知の基準となるガイドラインを定めました。
不明確な告知ルールを2021年に国が明確化。 心理的瑕疵の告知は宅建業者によって違いが生まれ、その結果、トラブルが起きて裁判へと発展する事もあるほどでした。誠実な業者は、売り主が知っているすべての瑕疵をかなり前の事例まで告知する場合もあれば、一度、人が住んだら、あるいは一定年数が経ったら告知しないという独自ルールで行う業者もいました。
一般消費者からすれば、宅建業者によって告知したりしなかったりする事は不安要素が強く、安全な不動産取引ができないとし、「人の死」についてどこまで告知するかを国土交通省が線引きしました。それが2021年10月に策定された「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」です。
このガイドラインでは、宅建業者が「人の死についてどこまで調査すべきか」 「どこまで告知すべきか」についての指針を示しています。
ガイドラインの中身を見てみましょう。 → 告知しなくてよい場合
■宅建業者が告知しなくてもよい場合
日常生活で起こりうる自然死や不慮の事故死などは告知不要と線引きしてありますが、長期間にわたり放置されたことで、特殊清掃や大掛かりなリフォームが行われた場合は、契約締結の判断に影響するので原則として告知が必要としています。昨今では増えた孤独死で発見が遅れた場合などがこれに該当します。
また、対象物件の近隣住戸や通常使わない共用部分で発生した人の死は告知しなくてよいとしていますが、日常使うエントランスやエレベーター、階段、廊下などで発生した場合は告知が必要です。加えていうならば専用庭などは告知が必須となります。 しかし、1~3のケースであっても、事件性、周知性、社会に与えた影響などが大きいなどで広く知られた場合については告知が必要としているほか、たとえば買い主や借り主から問われた場合、把握しておくべき事情がある場合などは、契約締結に影響を及ぼすと考えられるので告知が必要としています。このあたりの考え方は以前からの慣習と同じで、認知している事実は伝えるが原則となります。若干、抽象的でもありますね。 宅建業者の調査範囲とは ガイドラインによると、宅建業者は原則として、自ら近隣に聞き込みを行ったり、インターネットで調べたりといったことまで調査をする必要はないとしています。
宅建業者は通常、売り主や貸し主に、「告知書(物件状況等報告書)」などの書面に、契約の相手に知らせるべきことを記載してもらいますが、人の死についても過去に生じた事案について記載を求めることで調査の義務を果たすとされます。ただし、宅建業者が、販売活動などをする過程で人の死の発生について知らされた場合、自身が人の死の発生を認識した場合で、契約締結に影響を及ぼすと考えられる場合は告知しなければなりません。
〜まとめ〜 最終的には、事案の重さが高ければ「告知」することが必須となるので、今までの慣習と大きく変わりがないともいえます。ただし、賃貸物件の3年間の告知という部分は裏を返せば「3年待てばいい」ということにもありますので、貸す側(大家)では得に思えも、借りる側からすれば「知らないで居住してしまう」ということもあるのが今回のガイドラインの重要な部分だと思います。
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